2020/03/27 NEW

もしも、ヴィーガンの患者さんが入院してきたら…。

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ヴィーガンは、究極の菜食主義者。

ヴィーガン(vegan)という言葉をご存じですか。 ヴィーガンはイギリスで生まれた言葉で、ベジタリアン(菜食主義者)のなかでも、とくに厳密に植物性の食品だけを食べて生活する人を指します。完全菜食主義者とも呼ばれます。

一般のベジタリアンは肉や魚を食べませんが、ヴィーガンはそれに加えて、酪農製品も一切、口にしません。たとえば、卵(マヨネーズやてんぷら粉などに加工されたものも含む)、乳製品(バター、チーズ、アイスクリーム、ヨーグルト、生クリーム)、さらに、はちみつも食べないそうです。

ヴィーガンの思想の根底にあるのは、動物愛護。

では、どうしてヴィーガンは、酪農製品まで食べないのでしょう。その理由は、ヴィーガンの思想にあります。ベジタリアンは主に健康や美容のために、野菜中心の生活を選びますが、ヴィーガンの根底には「人間は動物を搾取することなく生きるべきである」という思想があります。 現代社会では、牛や豚、鶏などの動物は人間が管理し、過酷な飼育環境で効率的に大量生産されています。それは、乳製品も同じことです。たとえば、鶏は狭い鶏舎で卵を産み続けていますし、乳牛も糞尿だらけの牛舎に閉じ込められ乳を搾られています。こうした飼育をめぐる倫理的な問題を重視し、ヴィーガンは酪農製品も一切、口にしないわけです。

ヴィーガンの生き方は、環境保護にもつながっている。

ヴィーガンは、動物愛護と同時に、「畜産や漁業が環境破壊につながる」という問題意識を持っています。たとえば、食肉用の動物を育てるためには、餌である穀物を生産する広い土地や水が必要となり、それが森林伐採につながっていると指摘されています。ちなみに、牛肉1kg を生産するには、その約2万倍もの水が必要と言われ、水不足で苦しんでいる国にとっては見逃せない問題です。また、畜産業は温室効果ガス排出の要因になっていますし、漁業においても、乱獲などの自然環境破壊が問題視されています。 こうした環境問題を考慮する結果、ヴィーガンは、徹底した菜食主義を貫いているのです。

ヨーロッパでは、ヴィーガンやベジタリアンが増加。

ヴィーガンは日本ではまだなじみの少ない生き方ですが、ヨーロッパではそれほど特殊ではありません。環境意識の高いヨーロッパの人々の間では、気候変動を緩和する対策の一つとして、肉食をやめて菜食中心の食事を選ぶ人が増えているそうです。また、ヴィーガンほど徹底できなくても、週に何日か肉を食べない日を設けるライフスタイルも広がっているといいます。さらに、ドイツ、デンマーク、スウェーデンなどの国では、「食肉の税率を引き上げて、気候変動を食い止めよう」という議論もされています。

もしもヴィーガンの患者さんが入院してきたら。

こうしたヨーロッパの動きは、やがて日本のライフスタイルにも影響を与えていくでしょう。そうなると、日本の病院でも「私はヴィーガンなので、病院食は食べられません」という患者さんが増えていくかもしれません。 そのときにあわてたり、偏見の目で患者さんを見ないように、ヴィーガンというライフスタイルを正しく理解しておきたいですね。

画像提供:PIXTA

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