2020/03/24

そのコトバ、患者さんにわかりやすく説明していますか。

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シリーズ① 誤嚥

医療用語は専門的で、むずかしい表現が多いですね。ときに医療者はわかっていても、患者さんやご家族には伝わっていないこともあります。
そこで、これから何回かに分けて、国立国語研究所の「『病院の言葉』を分かりやすくする提案」を引用しながら、専門用語をわかりやすく説明する工夫について考えていきたいと思います。どうぞおつきあいください。
シリーズの第1回目は「誤嚥(ごえん)」です。

2人に1人は、「誤嚥」を知らない。

「誤嚥を防ぐために食事介助が必要です」「この患者さんは誤嚥リスクが高いから注意しましょう」など…。「誤嚥」という言葉は、医療者同士ではよく使う言葉です。とくに近年は、高齢患者さんが増え、使う頻度も増えてきました。実際、この言葉を患者さんに使う医療者は多くみられます(医師82.4%,看護師・薬剤師53.5%)。反対に、「誤嚥」という言葉の認知率は50.7%と低く、一般にはあまり知られていません。

「誤嚥」をどう説明すればいい?

では、誤嚥という言葉を、どのように患者さんやご家族に説明すればいいでしょう。国立国語研究所では、次のような言い方を提案しています。

短く説明するなら…

誤嚥は、食物などが気管に入ってしまうことです。

もう少し丁寧に説明するなら…

食べたり飲んだりしようとしたときに、飲食物が食道ではなく気管に入ってしまうことです。

じっくり説明するなら…

食べたり飲んだりしようとしたときに、飲食物が誤って食道ではなく気管に入ってしまうことです。飲食物を飲み込む力が弱かったり、飲み込む神経の働きが悪かったりすると起こりやすいのです。飲食物が気管に入ると激しくむせるのは、それを押し出そうとするからです。飲食物だけでなく唾液(だえき)が気管に入る場合もあります。口から肺に細菌が入ることで病気を引き起こすきっかけにもなります。

「誤嚥」に関わる表現も、言い換えて説明しましょう。

誤嚥に関わることを説明するときも、言い換えたり、わかりやすい説明をつけ加えて、患者さんやご家族が理解しやすいようにしたいですね。

<例>
  • 「誤嚥の危険が大きい」→「食べた物が気管に入ってしまう危険が大きい」
  • 「誤嚥しやすい食べ物」→「間違って気管に入ってしまいやすい食べ物」
  • 「誤嚥性肺炎」→「飲食物や唾液が食道ではなく気管に入ってしまったときに、口の中にあった細菌が気管や肺に流れ込んで起きる肺炎」

「嚥下」についても同様の配慮を。

誤嚥と並んで、「嚥下(えんげ)」も一般の人にはわかりにくい言葉です。嚥下は、平易に表現すると「飲み込むこと」です。嚥下を使った言葉を説明するときは、日常の言葉に言い換えると、わかりやすくなります。

<例>
  • 「嚥下食」→「食べ物を飲み込みやすいように、形態やとろみなどを工夫した食事」
  • 「嚥下障害」→「飲食物をうまく飲み込むことができないこと」
  • 「嚥下機能評価」→「飲み込む力を調べて評価すること」

出典:国立国語研究所「『病院の言葉』を分かりやすくする提案」
https://www2.ninjal.ac.jp/byoin/
(一部、出典外の表現も紹介しています)

画像提供:PIXTA

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