2019/11/22

秋はメロドラマ。「終着駅」は不朽の名作よ。

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わずか90分の物語。でも濃密よ。

はい。みんな、お元気? もうすっかり秋も深まってきたわね。この時期に観る映画は絶対メロドラマよ。私のおススメはなんと言っても「終着駅」。イタリア・アメリカ合作映画で1953年に作られたの。

だ~れ?「フルッ !!」とか言ってるのは….。名作は全然輝きを失わないものよ。私のなかではこれがメロドラマの最高傑作ね。何が優れているかっていうと、映画の90分が物語進行の90分と同じなの。わずか90分の物語なんだけれど、描かれる二人の思いは濃密なの。主演はジェニファー・ジョーンズとモンゴメリー・クリフト。二人とも当時のトップスターよ。駅が舞台だから、いろいろな人たちが行き来し、立ち止まり、時間を潰す。小さなエピソードも二人の逢瀬に絡ませながら進行していくの。見事な脚本ね。

ローマ中央駅を舞台にした群像劇

舞台はローマ中央駅。ロケーション部分と大きなスタジオセットが素晴らしく、「これってセットなのかしら?」と考えてしまうシーンがいっぱいなの。アメリカ人の人妻メアリーはイタリア旅行中に、若い青年ジョヴァンニと出会い恋に落ちるの。でもアメリカには夫、娘がいる。青年のことは忘れようと彼には何も告げずローマ中央駅へ。彼女がそこへ向かったことを知ったジョヴァンニもまた同駅へ。彼の必死の引き留めにほだされ、乗車する筈だった列車を見送ってしまうメアリー。そこからの展開がすごいの。メアリーは待合室で衰弱した妊婦を助け、自分自身の落ち着きを取り戻すのだけれど、彼の情熱の前には勝てないのね。二人は一両だけ切り離された誰もいない客車に乗り込み、互いの愛を確かめ合うの。ところが運悪く、鉄道警察が二人を発見。風紀違反の現行犯で二人を逮捕し、警察に連行してしまうのよ。まだほかにも娘のために買った洋服の行方や、細かなエピソードが挿入され、大きな駅で起こるさまざまな出来事に息つく暇もないわ。とにかく、一体二人はこの先どうなるんだろうと画面に釘付けよ。

走り出した列車から飛び降り、ジョヴァンニは…

二人はどうなったのか。警察署長の粋な計らいで二人は無罪放免に。午後8時30分発のパリ行きの発車時刻が切迫。もうメアリーに迷いはない。「今度こそ乗る」メアリーの決意が表情から伝わってくる。ジョヴァンニもぎりぎりまで列車に留まり、説得を試みるの。でも彼女の意思が固いことを悟り、動き出した列車から飛び降りプラットホームへ。したたかにに叩きつけられるのよ。私、初めて観たとき思わず「痛そう!」って、叫んじゃったわ。列車が夜の街を走り去っていくところで幕よ。甘さ、切なさ、怒り、後悔、決意など恋愛感情の起伏を見せてくれるメロドラマの秀作ね。

ちょっと余談。私、ジェニファー・ジョーンズを初めて観たのが「白昼の決闘」という西部劇だったの。グレゴリー・ペックを相手にとても荒々しい女性を演じていたわ。強烈だった。「終着駅」を観たとき、とても同じ女優さんとは思えなかったのよ。それで調べてみたら両方ともセルズニックの製作で、彼女はハリウッドの大物プロデューサー、セルズニックの夫人だったのね。彼女の才能を十分に引き出していたと思う。彼が1965年に他界するとジェニファー主演の映画はなくなり、1974年の「タワーリング・インフェルノ」で映画出演は終り。でも長生きして90歳で召天したの。


 

終着駅(イタリア・アメリカ合作映画)
製作      1953年
製作総指揮   デヴィッド・O・セルズニック
監督      ヴィットリオ・デ・シーカ
脚本      チェーザレ・ザヴァッティーニ
        ルイジ・キアリーニ
        ジョルジオ・プロスペリ
        トルーマン・カポーティ(英語の台詞)
原案         チェーザレ・ザヴァッティーニ
主演         ジェニファー・ジョーンズ
        モンゴメリー・クリフト
上映時間     90分
言語      英語、イタリア語、フランス語

 

画像提供:PIXTA

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