2019/07/10

成年後見制度のメリットとデメリット。

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今回は、『認知症に備えて知っておきたい「成年後見制度」』『「成年後見人」には、誰がなれるの? 』の続編です。成年後見制度は、認知症などにより判断能力が不十分になった人の財産管理などを援助する制度です。そのメリットとデメリットを見ていきましょう。

メリット① 大切な財産をしっかり管理できる。

認知症などで本人の判断能力が著しく低下すると、銀行の口座が凍結されます。家族が代わって預金を引き出そうとしても、できなくなります。そうなると、介護施設の入居などでお金が必要になっても、お金を用意することができません。
成年後見制度を利用すれば、後見人が本人に代わって、預金の引き出しなどを行うことができます。また、本人名義の住まいの売却などもスムーズに手続きできます。

メリット② 詐欺や悪徳商法に引っかからない。

オレオレ詐欺、還付金詐欺など、高齢者を狙った詐欺が増え続けています。認知症の心配がある人は、なおさら詐欺や悪徳商法に引っかかるリスクが高まります。そんなとき、成年後見制度を利用していれば、被害に合う心配がなくなります。また、不要なのに高額な商品を購入したり、リフォームなどの契約してしまう、といった行為も未然に防ぐことができます。仮に、本人が高額な買い物をしても、後見人が本人に代わって代金の返還を請求することができます。

メリット③ 親族などの使い込みを防ぐことができる。

成年後見制度は、本人の財産を守る制度です。もしも親族や第三者が、本人の財産を使い込もうとしても、しっかり防ぐことができます。さらに、毎年の財産に関する報告書は、裁判所に提出することが義務づけられているので安心です。


デメリット① 本人の財産を家族の生活費などに使えない。

成年後見制度を利用すると、「本人の財産を維持する上で問題ない」と認めた範囲でしか財産を使うことができなくなります。
たとえば、これまで本人が預貯金のなかから、家族の生活費の一部を負担としていたとしても、今後、その出費は認められなくなります。また、預貯金のなかから、家族の食事会や旅行の費用を出したり、孫の学費を援助することもできなくなり、家族のゆとりある生活に影響を与えます。

デメリット② 税金対策ができなくなる。

成年後見制度は、本人の財産保護を目的としています。したがって、相続税対策などは一切、できません。たとえば、子どもに生前贈与したり、不動産を新たに購入したり、収益を得る目的でアパートを建てることなどもできなくなります。

デメリット③ 後見人は解約できない。

成年後見人を決めるのは、裁判所です。そのため、「子どもである自分が後見人になるつもりで手続きをしたのに、見ず知らずの法律家が選ばれてしまった」ということもあり得ます。その場合も、一度、成年後見人が選ばれると、断ることはできません。本人が亡くなるまでその人が成年後見人になり、ずっと報酬を払い続けなくてはなりません。
本人の預貯金の使い方について、いちいち他人である法律家の判断を仰がなくてはならない。そのことは家族にとって、少なからずストレスになるかもしれません。

 


 

以上3回に分けて、成年後見制度について紹介しました。認知症の増加に伴い、注目される法律ですが、利用する際は慎重に吟味することが必要だといえそうです。

画像提供:PIXTA

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