2019/04/19

お産の安全も快適も両立するという伝統。

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高度な医療と心づくしのアメニティで、
理想のお産を実現する。

社会医療法人 大雄会 総合大雄会病院

平成30年5月、それまで大雄会第一病院にあった産科が、総合大雄会病院に移転。
産科外来は北館1階に、産科病棟は南館4階にてリニューアルオープンした。
22年前から総合病院の枠を超えて、新たな産科スタイルを打ち出し、
リスクのある妊産婦を支えてきた大雄会。
その伝統の産科医療を継承する3名の産婦人科診療部長に話を聞いた。

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22年前から積み上げてきた伝統の産科医療。

高齢妊娠や切迫早産(早産になる可能性の高い状態)など、リスクを持つ妊婦にとって、産科医院選びは難しい決断を迫られる。安全性を第一に考え、大部屋でもいいから総合病院を選ぶか。リスクには目をつぶり、個室で快適に出産できる産科クリニックを選ぶか。かつて、リスクのある妊婦にとって、その二者択一しかなかった。

「安全も、快適も、どちらも諦めることなく、理想的な出産ができるという〈第三の選択肢〉を提供できないだろうか」。そう考えて、新しいスタイルの産科を22年前から築いてきたのが大雄会である。平成8年、大雄会第一病院が現在地に移転するタイミングで、高度な医療とアメニティを 融合するという全く新しいコンセプトを導入。〈全室個室、母子同室〉の産科病棟を作り上げた。「それまで妊産婦さんは、産婦人科の混合病棟(大部屋)に入院していました。病気で入院した患者さんと健康な妊婦さんが同室になることも多く、出産のお祝いムードとはかけ離れた雰囲気でした。そこで、まずは産科を独立させ、産前も産後も心地よく過ごせる環境を作りました。さらに、食事も入院食から切り離し、妊産婦に必要な栄養を美味しくとれる体制を整えたのです」。そう説明するのは、嶋津光真(産婦人科診療部長)である。

当時、総合病院の産科は大部屋が主流で、〈全室個室、母子同室〉は常識を打ち破る挑戦だった。「院内には、そこまでしなくても…という批判もありました。でも、当時の産科のリーダーたちは、自分たちの理想とする新しい産科を作るんだ、という並々ならぬ決意を持って改革を断行したのだと思います」と嶋津は振り返る。

もともと大雄会の強みは、総合病院ならではの高度で総合的な医療にある。「妊娠合併症(持病のある人の妊娠)に対しては内科系・外科系の診療科と協力し、出産に伴うリスクに対応します。さらに総合大雄会病院には小児科、麻酔科、ICUが揃っていますから、帝王切開術も万全の体制で臨めます」と、坂井啓造(産婦人科診療部長)は話す。こうした万全の医療体制に、産科クリニックのようなアメニティを加えることで、同院はリスクを持つ妊婦にも、健康な妊婦と同じように「心地いい環境で希望のお産ができる」という選択肢を提供してきたのである。

現在の産科スタイルを確立し、22年の歴史を育んできた大雄会。「22年前、ここで産まれた赤ちゃんも、そろそろ結婚の年頃。その人たちが、またここで出産してくれたら、こんなにうれしいことはありません。これからもこの地域に根を下ろし、妊産婦さんの笑顔を支えていきたいですね」と坂井は話す。

総合大雄会病院に移転し、さらなる飛躍をめざす。

大雄会のある尾張西部医療圏(一宮市・稲沢市)には、新生児集中治療室(NICU)を備えた地域周産期母子医療センターがあり、母体・胎児・新生児の命に関わる症状にしっかり対応している。さらに、健康な妊婦の出産をサポートする産科クリニックや助産院も充足しており、妊産婦にとって恵まれた医療環境にある。そのなかで、大雄会はどういった役割を果たしているのだろうか。西川有紀子(産婦人科診療部長)は次のように話す。「簡単に言うと、地域周産期母子医療センターと産科クリニックの〈間〉を埋める役回りだと考えています。〈地域周産期母子医療センターにかかるほど重症ではない。でも、ある程度リスクがあるので、産科クリニックでは医療面で不安が残る〉—- そんな妊婦さんをサポートするのが当院の使命です」

安全で快適なお産を支えるという機能は、大雄会第一病院から総合大雄会病院へ移転したことで強化され、妊産婦の気持ちにより一層応えられるようになった。「麻酔科や小児科をはじめ、他の診療科との連携が今まで以上に緊密になり、緊急入院や緊急帝王切開などにもより迅速に対応できるようになりました」と坂井。その言葉に続けて、西川も語る。「移転を機に、マンパワーも充実しました。常勤医7名、助産師約30名で妊産婦さん一人ひとりを手厚くサポート。出産や育児の不安感を軽減できるように、さまざまな角度から支えています」。22年前、妊産婦の想いに応えるべく誕生した大雄会の産科。その情熱は今もしっかりと継承されている。「私たちの共通の願いは、妊娠・出産という特別なひとときを、特別な環境で幸せに過ごしていただき、母子一緒に笑顔で帰っていただくこと。〈次も大雄会で産みたい〉と思っていただけるように、全スタッフが力を合わせ、産科医療の質を高めていきます」。嶋津は強い決意を込めてそう締めくくった。

大雄会では、妊娠中から出産後までのサポートも充実している。妊娠中は〈助産外来〉や〈母親教室〉のほか、プロのインストラクターによる〈ヨガ教室〉を開催。出産後は〈母乳外来〉や〈母乳・育児相談室〉で育児をフォローするほか、助産師の指導のもと行われる〈ベビーマッサージ〉も好評を得ている。

COLUMN

  • 大雄会が22年前から力を注いできた取り組みに、助産師と妊産婦が一緒に考える「バースプラン」と「バースレビュー」がある。出産前にどんなお産をしたいかというバースプランを立て、出産後にバースレビューで振り返ることで、母親は自分のお産を肯定することができ、その後の育児も前向きに取り組んでいけるという。
  • 近年は、こうした取り組みを導入する産科も増えてきたが、ずっと前からプランとレビューの両方を行ってきたところは非常に珍しいといえるだろう。さらに同院では、バースレビューで得た妊産婦の貴重な意見を多職種で共有し、PDCAサイクル(計画・実行・評価・改善の繰り返し)を回すことで、医療サービスの質を継続的に高めてきた。どんな診療、サービス、設備、料理、指導…が、妊産婦の満足に繋がるのか。常に出産する人の想いに耳を傾けてきたノウハウの蓄積が、リニューアルオープンした今日の産科外来と産科病棟に凝縮されている。

BACK STAGE

地域の医療機関が連携し、安全な出産を〈面〉で支える。

  • 分娩を扱っている医療機関の特色はいろいろあり、妊婦の希望やリスクに合わせて選ぶことができる。比較的リスクが少ない場合であれば、アットホームな産科クリニック、助産院。高齢出産や持病などのリスクがある場合は、大雄会のような総合病院。さらに、ハイリスク出産が想定される場合は、地域周産期母子医療センターなどが対応できる。
  • 大雄会のある尾張西部医療圏では、これらの医療機関がほどよく充足している恵まれたエリアである。また、それぞれの医療機関は〈点〉として存在するのではなく、お互いに役割分担しながら、しっかりと連携している。大雄会はリスクを持つ妊婦の安全で快適なお産を支える役割を担いつつ、より高度な医療が必要と判断した場合は、迅速に地域周産期母子医療センターへ紹介している。医療機関同士が競争するのではなく、協力し合うことで、母子の安全を〈面〉で支えているといえるだろう。

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記事投稿者プロフィール
  • 地域医療機関や企業・教育機関等、看護職のサポーターを引き受けていただいた皆様と一緒に、看護職のためのライブ感のたっぷりな有意義な情報をお届けします。

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