映画『ブルージャスミン』。転落の人生から何を学ぶ?

季節の変わり目はストレスにご用心。
はい。みんな、お元気? 春は生活が変わる季節よね。学生から社会人になる人たちがいれば、転勤や移動で住む場所が変わる人たちもいる。生活環境が変わることで、ちょっとしたストレスを感じることもあるでしょう。でも大丈夫よ。すぐに慣れるわよ。
そんな気分のときに、お勧めしたいのがこの映画『ブルージャスミン』。知ってる? ウディ・アレンの作品よ。私、この方の映画ほとんど観ているけれど、これがベストね。ニューヨークの超セレブから一文無しになり、彼女にとっては耐え難い「フツーの生活者」に。いわばそこからのサバイバルね。この女性を演じるのがケイト・ブランシェット。もう適役ね。
タカビーだけど、親近感が。
ジャスミンは夫が詐欺罪で警察に捕まり、たちまち一文無しに。豪勢な暮らしも実は人さまから騙し取ったお金で成り立っていたのね。仕方なくジャスミンは、血のつながらないサンフンラシスコに住む妹の家に転がり込むの。この姉妹の関係がおかしいの。でもここでは長くなるからカット。残念だけど。小さな家でジャスミンは不満タラタラ。大体、「お世話になります」って気持ちが全然ないの。お金はないのに持ってるモノはブランド品ばかり。早口で話しだすと自慢話の山。キレイだから言い寄る男もいるんだけれど、値踏みして相手にもしない。とにかくタカビーでヤな女なのよ。でもあそこまで「自己中」になれると、なんだか小気味よくて親近感が湧いてくるの。
「上院議員の妻」の座は泡と消え…
もちろん妹も負けていなくて、ジャスミンがいかに他力本願で自立しようという気がないかをぶつけるの。ホント、この姉妹の口論はおもしろい。それでジャスミンは歯科医の受付をしたり、パソコン教室に通ったりして、自立の道を模索し始めるの。でもダメね。コツコツやるタイプじゃないから長続きしない。そんなときに上院議員になろうという野望を抱くイケメンのリッチマンに出会うのよ。そりゃもう水を得た魚ね。男性もすっかりその気になり、「キミこそ伴侶にふさわしい」とタナボタ式の展開に。ほほ。世の中そんなに甘くないわよね。二人が舞い上がっているときに、妹の前夫に偶然街で会うのよ。彼は以前ロトで20万ドルを引き当てたのに、ジャスミンの夫から「投資すればもっと儲かる」と持ち掛けられ、挙句、失敗し破産。それが理由で離婚したの。だからジャスミン夫妻には深い恨みがあるわけ。素性を知らされたジャスミンのボーイフレンドはすっかり熱が冷め、「ボクを騙したな」と怒り心頭。ジャスミンの「上院議員の妻」の夢は泡と消え……
ジャスミンは反面教師。「ここで頑張る」気に。
それでもジャスミンは妹に虚勢を張って、家を出る。行くあてもないのにね。街なかで立ちすくむジャスミンは、前より一層独り言が多くなり…見ているこちらは思わず「ジャスミン、あんた大丈夫?」って声をかけたくなるわ。そして映画はここで終わり。「決してハッピーエンドではないけれど、反面教師として人生のおベンキョーになるわよ。セレブな暮らしももラクじゃないってことが分かるし、「さあ、私はここで頑張ってみるか」という気にさせてくれるわよ。じゃ、またね。
ブルージャスミン(アメリカ映画 2013)
監督 ウディ・アレン
脚本 ウディ・アレン
出演 ケイト・ブランシェット
アレック・ボールドウィン
ボビー・カナヴェイル
画像提供:PIXTA
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