怒りたいときは、上手に怒ろう!

怒りの感情コントロールを考えるシリーズ。今回は『天使だって、怒ります』『怒りの感情はコントロールできる』の続編で、いよいよ最終回です。『ナースのイラッ!ムカッ!ブチッ!の解消法59例』を参考、引用しながら、上手な怒り方を考えていきます。
「怒らない」が目標ではない。
怒りの感情は、誰もが持っているもの。したがって、アンガーマネジメントの目標も、「怒らない」ことではありません。「怒ること、怒らないことが区別できるようになり、怒りたいときは上手に怒り、怒る必要のないことは怒らなくて済むようになる方法」だといいます。
つまり、感情に任せて怒るのではなく、怒りたいときは上手に怒りの感情を伝えることが大切です。
怒るときに重要な「言葉」の選び方。
では、どうすれば、怒りの感情を上手に伝えられるでしょう。そこで大切なのは、表現方法です。表現が不適切では、怒りは上手に伝わりません。とくにカッとなると、言わなくてもいいことまでしゃべってしまい、相手を傷つけてしまうことも…。そこで、ここでは、怒るときにどんな言葉を使うといけないのか、逆にどんな言葉を使えば良いか。主なケースを3つ、ご紹介します。
「なんで」「どうして」は、相手を責めてしまいます。責められると、人は素直になれないものですね。「なんで」「どうして」と言いたいときは、グッとこらえて、「どうしたら」と言い換えるようにしましょう。相手にも解決策を考えてもらうチャンスを与えることにつながります。
この際だから言うけれど…
今のできごとに怒っているのに、怒りの炎が燃え上がると、ついつい過去を持ち出したくなるもの。ずっと我慢していたことが吹き出す瞬間です。でも、過去の問題にさかのぼれば、相手も過去を持ち出し、解決しやすい問題もこじれてしまいます。過去には触れず、今から未来を見据えた言葉に言い換えましょう。
「いつも」「必ず」「絶対に」といった言葉は、100%という意味です。これらの言葉を使うと、相手はどんな気持ちになるでしょうか。たとえば、「あなたはいつも記入ミスをするのね…」などと言われると、心のなかで「いやいや、いつもじゃないし。ときどきミスするだけなのに…」と反論したくなりませんか。100%相手を否定するのは、事実と異なります。正確でない表現は相手に伝わらないだけでなく。相手の反感を買ってしまいます。
上手な怒り方は、毎日の積み重ね。
上手な怒り方の言葉遣いは、頭ではわかっても、なかなか実践するとなると難しいものですね。しかも、怒りが沸騰すると、ついつい言葉遣いもきつくなります。でも、上記のNGワードを意識して使わないように心がけると、やがて上手な怒り方が自然と身についていくはずです。怒りのコントロールは、毎日毎日の積み重ねが大切です。
3回シリーズでご紹介したアンガーマネジメント、いかがでしたか。参考にした本書には、このほか、ケーススタディも掲載されています。たとえば、「他部門からの毎日の小言にうんざり」「患者の生活指導中にキレられた」「医師からぶっきらぼうに対応された」ときの対処法なども満載。興味のある方は、ぜひご一読ください。
■参考資料
一般社団法人日本アンガーマネジメント協会
代表理事安藤俊介氏監修・執筆
ファシリテーター24名で執筆
『ナースのイラッ!ムカッ!ブチッ!の解消法59例』
発行所:日総研出版
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特にこの時期は新人が入ってきて、先生もかわりイライラしてしまう時期です。
怒り方大変参考になりました。