2019/04/12

認知症に備えて知っておきたい「成年後見制度」。

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認知症800万人時代といわれる日本。高齢患者さんと日々接している看護職の皆さんにとって、認知症は身近な病気かもしれません。そこで、これから数回にわたって、認知症と関係の深い「成年後見制度」について勉強していきたいと思います。ご両親の老いが気になってきた方に、ぜひ読んでいただきたい情報です。

成年後見制度って、どんな制度?

成年後見制度は、判断能力が不充分な人に対し、その判断能力を補い、その人の権利や利益を保護するための制度です。
たとえば、年をとって認知症になったり、病気や事故で脳に障害を負ったりすると、適切な判断能力を維持できなくなります。そうなれば、日常生活に必要な物を購入する際も、介護サービスを受ける際も、正しい判断ができず、不利益を被る可能性があります。最悪の場合、診断力の衰えた高齢者は、詐欺や悪徳商法のターゲットになりかねません。
そうならないように、成年後見制度では、本人を保護・支援する人(後見人)を選び、その人が本人の利益を第一に考えながら、本人に代わって売買や契約などの行為を行っていきます。

実家に帰ったら、高額な家電品や日用品が…!

では、そろそろ「成年後見制度」が必要かも…と思うのは、どんなときでしょう。たとえば、ご両親、もしくは一人暮らしのお父さんお母さんが遠く離れて住んでいる方は、実家に帰るたびに年老いていく姿を見て、心配になることはありませんか。
ご両親の判断力が充分かどうかを見極めるポイントの一つに、買い物があります。実家を見渡して、見慣れない高額な商品が目についたら要注意。収入とは不釣り合いなものが増えたと感じたら、判断力が衰えてきたサインかもしれません。

預貯金の管理は、誰がしていますか。

「うちは親と同居しているから…」「近所に住んでいていつも様子を見ているから大丈夫」という方も、そう安心はしていられません。
たとえば、高齢になったお父さんが脳の病気で倒れ、緊急入院したとします。入院費の支払いのために、お母さんやあなたが、お父さん名義の定期預金を解約しようと銀行を訪ねます。でも、通帳と印鑑を持参しても、本人自筆の委任状がなければ、定期預金を解約することはできません。
また、すでに本人が認知症と診断されている場合、本人と家族が一緒に銀行の窓口に行っても、預金の引き出しが認められない可能性もあります。

成年後見には、二つの種類があります。

万一のときに困らないように、今から検討しておきたいのが、「成年後見制度」です。この制度には、「法定後見制度」と「任意後見制度」の二種類があります。

法定後見制度

本人の判断能力がすでに不充分になっている場合。家庭裁判所の審判で選ばれた人が、本人の利益を考えながら、本人に代わって契約などの行為をします。

法定後見制度では、判断能力のレベルに応じて「後見」「保佐」「補助」の3種類に分けられます。判断能力がまったくない場合は、「成年後見人」、判断能力が著しく不十分な場合は「保佐人」、判断能力が不充分な場合は「補助人」がそれぞれ、家庭裁判所によって選ばれます。

任意後見制度

今はまだ元気だけど、将来に備えておきたい場合。あらかじめ本人が選んだ任意後見人に、財産管理や介護についての代理権を与える契約を公正証書などで結んでおく制度です。


 

いかがでしたか。今回は、成年後見制度の概要をご紹介しました。次回は、制度の利用方法などについて見ていきたいと思います。どうぞおつきあいください。

画像提供:PIXTA

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