2019/01/30

つながり広げる〜幸せに暮らせる町づくりに向けて、看護にできることを。

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愛知県看護協会の活動を紹介します

01 知多半島地区支部
半田市|常滑市|東海市|大府市|知多市|(知多郡)阿久比町・武豊町・東浦町・南知多町・美浜町

愛知県看護協会では地域の健康や福祉のニーズに応え、看護の力を最大限発揮できるように、さまざまな活動を行っています。
第1回目は、知多半島地区支部の活動をご紹介します。

お話を伺った人
愛知県看護協会 知多半島地区支部
支部長 久米 淳子(常滑市民病院 看護局長)
編集者が聞いたKEYWORD
●多職種の一体化
●医療と介護の大きな壁
●圧倒的に人数が多い看護職が率先
●医療従事者が少ない知多半島
●幸せな町づくり

地域包括ケアシステムの実現には、多職種連携が必須。

――まずは、知多半島地区支部の活動について教えてください。

久米いろいろありますが、とくに力を入れているのは、愛知県看護協会が重点事業として位置づけている「地域包括ケアシステムの推進」です。地域の皆さんが住み慣れた町で安心して暮らしていけるよう、医療と介護の連携などに力を注いでいます。

――具体的にはどんな取り組みですか。

久米たとえば、平成30年度から「多職種連携交流会」を始めました。地域の皆さんに声をかけたところ、病院の看護師はもちろん、訪問看護師、保健師、リハビリテーションスタッフ、ヘルパー、介護福祉士、ケアマネジャー、歯科衛生士、視能訓練士(眼科で視能検査などを行う専門家)など、全部で16職種もの方々が集まってくださいました。

――それは素晴らしいですね。どんな成果が得られましたか。

久米職種によってさまざまな価値観があることがわかり、お互いの理解が深まりました。医療、介護、福祉の壁を壊すための一歩を踏み出せたと思います。

――職種の壁を壊すには、さらにどんな取り組みが必要だとお考えですか。

久米やはり医療職からアプローチすることがポイントだと思います。どちらかというと、介護・福祉職の方々は医療職に対し、職種の格差(ヒエラルキー)を感じていらっしゃいます。その格差を埋めるために、私たちが「一緒にやりましょう」と声をかけることが重要です。

多死社会に備えて、アドバンス・ケア・プランニングの取り組みも。

――多職種連携交流会では、具体的にどんな催しを行ったのですか。

久米「地域でつなぐアドバンス・ケア・プランニング」というタイトルを掲げ、講演会とゲームを行いました。

――アドバンス・ケア・プランニングとは?

久米わかりやすく言うと、もしものときに、自分や家族がどんな最期を迎えるのか、話し合っておくことです。日本は今、亡くなる人が急増する多死社会に向かっていますから、自分や家族の延命治療などについて意思表示をしておくことが大切です。

――これまでは、病院中心の取り組みだったように思いますが…。

久米はい。でも、これからは地域にもっと広げていくべきだと思います。厚生労働省はアドバンス・ケア・プランニングの愛称を公募し、「人生会議」と名づけました。この愛称に込められているように、これからは、地域の誰もが人生の最期について話し合うことが望ましいと思います。そのために、私たちの支部では、在宅療養を支える方々にもアドバンス・ケア・プランニングについて知っていただこうと働きかけています。

看護の力で、幸せに暮らせる町づくりを。

――知多半島地区はかなり広いエリアですが、どのような地域医療の課題を感じていらっしゃいますか。

久米この地域の課題は、医療資源の不足が著しいところです。病院や診療所の数も、医療従事者の数も、全国平均と比べるとかなり少ないんです。そういう地域ですから、それぞれの施設や事業所が自分たちのことだけを考えて活動していたのでは、地域医療を守ることはできません。先ほど職種の壁と言いましたが、組織の壁も壊して、知多半島全体が一つにならないといけないと思います。

――地域が一つになるために、看護職にできることは何でしょうか。

久米看護職は、地域をつなぐキーパーソンになれると思います。というのも、看護職は地域のなかで圧倒的に人数が多いんですね。だから、看護職がまず動くことで、全体を動かすことができます。たとえば最近は、病院の認定看護師が地域に出て、在宅看護を支える場面も増えてきました。地域のなかで最も人材を抱える病院が、看護師を地域に派遣することで、地域の人間関係が深まり、ひいては知多半島全体が一つにまとまっていく原動力になると思います。

――なるほど、そういう取り組みがもっと増えるといいですね。

久米はい。もう少し広い視野で言うと、私たち看護職は、この町の人が健康で幸せに暮らしていけるような町づくりに貢献できると考えています。町づくりというと、看護の領域を超えているかもしれません。でも、看護職が人々の生活に寄り添い、健康を支えていくなかで、支え合いのコミュニティが育ち、やがて町づくりへとつながっていきます。知多半島地区支部として、そんないい循環が生まれ、広がるように、一生懸命後押ししていきたいと思います。


知多半島地区支部の活動

市民公開講座
地域住民を対象にした講演会。平成30年度には、「私らしい人生の終(しま)い方をするために」というタイトルで、アドバンス・ケア・プランニングの普及啓発に努めた。
地域包括ケア看護連携検討会
地域包括ケアシステムの推進をめざし、看護職の連携を深めるための会議。平成30年度は、病院・事業所の看護師、行政の保健師など50名が参加。知多半島の地域医療構想の現状や、災害時の公衆衛生のあり方について確認し合った。
まちの保健室活動
地域住民の相談に看護職が応える場を提供。知多半島地区支部では、常滑市民病院の「健康ひろめ隊」活動に合わせ、常滑市内のイベントにブースを出店している。

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